患部撮影技術の開発が急速に進んでいる。解像度を上げて見やすくするとともに、患者の負担を少なくするためで、最新の技術が次々に導入されている。本格的な内視鏡の登場は、一九五〇年代に日本で開発された胃カメラだ。胃の中に挿入する管の先に、小さなカメラを装着し、やみくもに胃壁を撮影した。
六〇年代に入ると、しなやかで光を通す極細のグラスファイバーなどの素材を束ね、先にレンズをつけたファイバースコープが登場。患者の消化管の湾曲にあわせて、管を操作し、医師がのぞき込んで診断するので、患者の負担がやや軽減された。検査する部位も胃だけでなく、大腸、すい臓など周辺も見られるようになった。
現在では、内視鏡のほとんどは家庭用ビデオカメラに使うCCDなど撮像素子を使い、電気で画像を伝達するビデオスコープが主体。モニター画面で拡大して、複数の医師が同時に見られ、胃潰瘍の止血やポリープの切除など、手術の負担を軽くする治療にも使われている。画像診断技術の急速な発達とともに、最近新たに登場したのは「仮想内視鏡」だ。
原理はCTスキャンの輪切り画像(一_間隔)をコンピューターで立体的に再構成し、胃や大腸の部分の内壁の様子を再現。さらに、病変部に色をつけて診断できるようにしている。
被験者は発泡剤を飲んで胃を膨らませて装置に横たわる。撮影のあいだ、約二十秒間息をとめているだけでデータが計測され、モニター画面に内部をリアルに写した内腔像と胃全体の胃形像が現れる。一昨年七月、わが国で初めて人間ドックにこの手法を導入した大阪市東淀川区の医誠会病院は、これまで三百例近くの検査を行った。解像度は通常の内視鏡の97%。
胃潰瘍の診断は、呼気中に含まれるピロリ菌の検査などと合わせて行うので確実性が増したという。
稲本一夫・同病院健康増進センター所長は「ポリープなど壁面が突出した病変だけでなく、通常の内視鏡では困難な胃や大腸の粘膜のへこんだ病変も検出できた。何よりも患者の負担が少ないので、肺などの疾患にも使えるか検討したい」と話している。
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