ホロニクスグループ 栄養管理部

透析食だより

2020年4月号 上手な油の摂り方について

上手な油の摂り方について

摂取エネルギーの不足が続くと、

  • 筋肉量の低下や体重減少
  • 免疫力の低下
  • 体たんぱく質が分解され、血中老廃物の増加
に繋がります。また透析患者さんは慢性炎症を合併していることが多く、低栄養になりやすいことが知られています。
そこで、少量でも高エネルギーの油を上手に取り入れ、安定した透析療養を送りましょう。

ポイント 必要エネルギー量は年齢、性別、体格、活動量等によって異なります。またいずれの油も過剰摂取には注意が必要ですので、管理栄養士にご確認ください。

脂肪酸の種類

飽和脂肪酸の分類
短鎖脂肪酸
短鎖脂肪酸

食品例:バター、チーズ

長鎖脂肪酸
長鎖脂肪酸

食品例:牛脂、豚脂
過剰摂取はコレステロールと中性脂肪の増加、動脈硬化、心筋梗塞を 引き起こしますので注意しましょう

中鎖脂肪酸
中鎖脂肪酸(MCT)

食品例:MCTオイル・パウダー、ココナッツオイル

  • 消化吸収が早く、エネルギーになり易く、体に脂肪がつきにくい油です。
  • 油っぽさが少なく、くせがないので色々な料理に利用できます。

不飽和脂肪酸の分類
一価不飽和脂肪酸(n-9系脂肪酸)
一価不飽和脂肪酸(n-9系脂肪酸)

食品例:オリーブオイル、キャノーラ油、ナッツ類

  • 動脈硬化や血栓の予防、また、血中の悪玉コレステロールを下げる働きがあります。
  • 加熱による影響が少なく、酸化しにくいので揚げ物や炒め物使用が適しています。
  • 体内で合成する事ができる脂肪酸です。

多価不飽和脂肪酸(n-3系脂肪酸)
多価不飽和脂肪酸(n-3系脂肪酸)

食品例:アマニ油、エゴマ油、グレープシードオイル、青魚

  • 悪玉コレステロールや中性脂肪を減らし、善玉コレステロールを増やす期待ができるため、動脈硬化の予防に役立ちます。
  • 熱に弱く酸化しやすいため、サラダやマリネ、ヨーグルト等にそのままかけての使用が適しています。

多価不飽和脂肪酸(n-6系脂肪酸)
多価不飽和脂肪酸(n-6系脂肪酸)

食品例:ゴマ油、紅花油、コーン油、くるみ

  • コレステロール、中性脂肪を下げる働きがありますが、摂取量が多いと善玉コレステロールを下げる働きがあり、 また炎症反応の悪化を引き起こす可能性があります。
  • ナムル、炒め物、揚げ物の使用に適しています。

ポイント n-3系、n-6系ともに、体内で合成することができない脂肪酸(必須脂肪酸)のため、食事から摂る必要があります。

以上のように、油(脂肪酸)にはさまざまな種類があり、はたらきも違います。 飽和脂肪酸(肉類や乳製品など)に偏らないように、意識して不飽和脂肪酸(青魚や植物油など)も取り入れるなど、油だけでなく食事全体のバランスに気を配りましょう。


透析食レシピ紹介 たこの野菜マリネサラダ
たこの野菜マリネサラダ

サラダは使用する調味料によっては低エネルギーになりますが、このレシピではオリーブオイルを使用し、エネルギーアップしています。

1人分の栄養素:

エネルギー:102kcal、たんぱく質:7g、リン:52mg、カリウム:195mg、食塩相当量:0.2g
※リン・カリウムは「生」で算出

材料(1人分)

  • まだこ(ゆで)………………30g
  • きゅうり……………………20g
  • 赤ピーマン…………………20g
  • 黄ピーマン…………………20g
  • 穀物酢…………………小さじ1
  • 砂糖……………………小さじ1
  • オリーブオイル………大さじ1
  • 黒こしょう…………………少々

作り方

  1. たこ、赤・黄ピーマン、きゅうりを2センチの乱切りにする。
  2. 赤・黄ピーマン、きゅうりはボールに入れて30分水さらしにする。
  3. 別のボールに穀物酢、砂糖、オリーブオイルを入れ混ぜる。
  4. 2の水気を切り3の中に、たこと一緒に入れ混ぜ合わせ、ラップをして冷蔵庫で30分冷やす。
  5. 4に黒こしょうを入れ、味を整えたら器に盛り付ける。
たこの野菜マリネサラダ

たこは魚介類の中ではリン/たんぱく質比(たんぱく質1gあたりに含まれるリンの量)が低く、リンの摂取量を抑えながら、効率的にたんぱく質を摂取することができます。