ホロニクスグループ 栄養管理部

透析食だより

2018年8月号 動脈硬化を防ぐための食事

「動脈硬化」という言葉をテレビなどでよく聞かれると思います。動脈硬化によって心筋梗塞、脳梗塞など引き起こされることはご存じと思いますが、透析患者さんは尿毒素の貯留、カルシウム/リン代謝異常、体液量の増加などが原因で一般の方よりも動脈硬化のリスクが高いと言われています。しかし、動脈硬化は日頃の生活習慣に注意するこで予防することができます。

今回は動脈硬化予防の食生活についてチェックしていきましょう。

動脈硬化を防ぐ食生活

血管の石灰化を予防する

食事からのリン摂取量が多くなったり、服薬忘れや透析不十分であったりすると血清リン値が高くなります。リンとカルシウムが結合しリン酸カルシウムとなり、関節や血管などの組織で異常な結晶沈着(異所性石灰化)が起こりやすくなります。異所性石灰化で特に注意が必要なのは血管です。

動脈硬化1

進行すると

  • 閉塞性動脈硬化症
  • 脳梗塞
  • 心筋梗塞
  • などを発症します。

脳梗塞、心筋梗塞はご存知の方もおられると思いますが、閉塞性動脈硬化症はご存知ですか?閉塞性動脈硬化症とは足の動脈が狭くなったり詰まったりした結果、血液の流れが悪くなり、足が冷たい ・ しびれる などの症状が出ます。

動脈硬化2

重症化した場合

  • 足を切断することもあります。

このような状態を予防するにはリンコントロールが重要で食生活への注意が必須です。
リン値の目標3.5~6.0㎎/dlとされています。 参考資料 透析ケア2017.8月号

動脈硬化3

脂質異常を予防する

脂質(特に飽和脂肪酸)を摂り過ぎると悪玉コレステロールや中性脂肪が増えやすく、動脈硬化を引き起こす原因の一つです。飽和脂肪酸の摂り過ぎには注意しましょう。

動脈硬化4

飽和脂肪酸が多い代表的なもの

  • 肉類
  • バター
  • 乳製品

コレステロール等の管理目標値については医師・管理栄養士等にご相談ください。

高血圧を予防する

高血圧は動脈硬化の原因の一つです。食塩が多いものを食べると水分量が増えるため高血圧の原因になります。しかし、食塩が多いだけでなく、味付けが濃いものも水分量、食事量が増えやすくなります。 高血圧の予防には塩分が多いもの、味付けの濃いもののとり過ぎに注意しましょう。

透析前の血圧の目標値は140/90mmHg未満です。

動脈硬化予防の食事のポイント

  1. 食事はバランスよく
  2. 主食+主菜+副菜の組み合わせにする

  3. 主菜は肉に偏らず、魚、卵、豆製品などまんべんなく取り入れる
  4. 青魚の油はDHA、EPAが含まれており、動脈硬化の予防になります。

  5. 暴飲暴食をしない
  6. 食事量が多くなるとリンや食塩の摂取量も増えます。

  1. リンを多く含むものは食べすぎない
  2. リンが多い食材を食べる場合は、量を決めて食べるようにしましょう。

  3. 薄味を心がける
  4. 食塩が多いもの、味が濃いものは食べすぎ、水分の飲みすぎにつながります。

    動脈硬化5

透析食レシピ紹介 動脈硬化予防のオープンオムレツ

ツナ缶のオイルはDHAやEPAが豊富に含まれています。
これらは、悪玉コレステロールや中性脂肪を減らし、善玉コレステロールを増やす効果が期待できるため、動脈硬化の予防になります。

1人分の栄養素:

エネルギー:209kcal、たんぱく質:14.7g、脂質:13.9g、カリウム:414mg 生野菜で計算、リン:198mg、食塩相当量:0.7g

動脈硬化予防のオープンオムレツ

作り方

  1. 玉ねぎをみじん切りにして、10分放置。
  2. 小松菜を1cm幅の長さに切り、水に約30分さらす。
  3. ツナ缶(油漬)を缶汁ごとボールに入れる。
  4. ③と①②卵を混ぜ合わせ、濃口しょうゆ、こしょうを入れ、混ぜる。
  5. 卵焼器か、直径16cm程度のフライパンに油をひいて、④を流し入れる。
  6. ふたをして、弱火~中火で固まるまで焼く。
  7. 火が通り、玉子が固まればフライ返しでお皿に盛りつける。

材料(2人分)

  • 小松菜……………………70g
  • 玉ねぎ……………………(1/2個)100g
  • ツナ缶……………………(油漬)70g (缶詰小1個…70g)
  • 卵…………………………2個
  • 濃口しょうゆ……………小さじ1/2
  • こしょう…………………少々
  • 油(フライパン用)……少々