2019年1月号 食の歴史

日本には伝統の食文化があります。今月は食の歴史を辿り、普段私たちが何気なく行っている年中行事やその食事について由来や意味に触れてみましょう。
主な歴史
時代 | 出来事 |
---|---|
縄文時代後期 | ●大陸より、稲作が日本に伝来する |
BC.200年頃 | ●五穀(稲、麦、粟、豆など)が伝わる |
弥生時代後期 | ●飲食に高杯を使い手食する(魏志倭人伝) |
飛鳥時代 | ●中国に遣唐使を送る 大陸の食文化がもたらされる ●天武天皇が肉食を禁止する |
奈良時代 | ●箸の利用が広がる ●牛乳を煮詰めて作った「蘇」が食べられるようになる ●唐菓子が伝わる |
平安時代 | ●貴族の大饗料理や年中行事が中国の影響で定着 ●豆腐・黒砂糖が伝わる ●唐からミカン・茶を持ち帰る ●禅僧 栄西が唐から抹茶法を持ち帰る |
鎌倉時代 | ●精進料理の発展 |
室町時代 | ●本膳料理の確立 |
安土桃山時代 | ●茶懐石の確立 南蛮菓子が伝来 |
江戸時代 | ●都市部でそば、すし、てんぷらなどの食べ物屋や料理屋が広まる 肉食解禁・西洋野菜の栽培が広まる |
明治時代 | ●肉食解禁・西洋野菜の栽培が広まる |
年中行事
年中行事には日本の民俗に根ざしたもの、中国の影響のもとに日本化した五節句、祭礼に伴うもの等があります。今回は年末年始と五節句の1つ人日(じんじつ)について取り上げます。

年末年始
大晦日(12月31日の夜) 古来より正月の歳神様を眠らないで迎える日。除夜の鐘をきき ながら年越しそばを食べる。細く長く寿命が延びるように願うとされる。
正月 一年の始まりを祝う最も大切な節日。雑煮は、武士の習慣の名残である。丸餅は魂の象徴とされ、新しい年の魂をいただき一年を元気に過ごすという意味がある。お年玉も同じ意味である。

鏡開き 1月11日に食べる鏡餅は「歯固め餅」とも呼ばれ、歯は年齢に通じ、お正月の最後に 鏡餅を食べて歯を丈夫にするという意味があり延命長寿を願うものである。

五節句 人日(1月7日) 人日とは、古代中国の年中行事を記した書物で人を占う日として人日とよび、七種菜の羹(あつもの:スープの意味)を食し無病を願う行事とされている。
室町時代から江戸時代にかけて、七種類の若菜を粥に入れて食べる七草粥の風習が形を整え五節句の一つに加えられた。七草とは、「せり・なずな・ごぎょう・はこべら・ほとけのざ・すずな・すずしろ」のことで、新年にあたり野草を食べるとその強い生命力にあやかり長生きができるとされた。
1月7日に七草粥を食することは、元旦から続く正月行事が終わる直会(なおらい:供物を下げていただく宴会)の日であり、餅に疲れたお腹を休めるための理にかなった行事である。

その他の五節句
● 上巳(3月3日、ひな祭り) ● 端午(5月5日、こどもの日) ● 七夕(7月7日) ● 重陽(9月9日、現在は秋祭りなどとして各地に残る。)

五節句以外の年中行事
季節ごとの変わり目に様々おこなわれ、現代の暮らしの中にいきづいている。
● 節分(2月3日) ● 花見 ● 盂蘭盆 ● 月見(9月15日、旧暦8月15日) ● 七五三(11月15日) ●冬至(12月半ば過ぎ)など。
引用:行事食と文化(厚生労働省)

栄養成分の似た野菜で代用OK!
栄養量(1人分):エネルギー 170kcal/たんぱく質3.8g/食塩相当量1.4g
材料(4人分)
- 米飯………………………………200g
- せり(または三つ葉で代用)……15g
- 水菜(なずなの代用)……………15g
- 春菊(ごぎょう・ほとけのざの代用)…10g
- ほうれん草(はこべらの代用)…25g
- 大根の葉(すずしろ)……………15g
- かぶの葉(すずな)………………15g
- 水…………………………………400cc
- 塩……………………………小さじ1/3
- 薄口醤油……………………小さじ1/3
- 顆粒だし……………………小さじ1/3
作り方
- 野菜を1~2cmの長さに刻み、野菜は軽く茹でます。
- 鍋に水をいれ沸かし、沸騰したら米飯と野菜をいれ、調味料で味付けをしてひと煮立ちさせます。
- 米飯が粥状になるまで弱火で10分程度煮込みます。
- 器に盛り付け出来上がりです。
ポイント
野菜は材料を参考に全体で1人分が50g程度になれば種類や量はお好みで調節可能です。