Vision ビジョンISEIKAI RENAISSENCE

基調講演 飛躍の年 HOLONICS HEALTHCARE 2016
病院改革最終章
/病院改革大阪第一位という外部評価を得て

Whether the future can be predicted ?

4月の同時改定は病院大淘汰の始まりです。未来10年は生産調整の季節、何人たりとも避けて通ることはできません。給付を制限するか、負担を増やすか、いずれにしても限界があります。国民皆保険制度の破綻は火を見るより明らかです。恐らく、米国のように国民保険と民間保険の二本立てになるでしょう。イソップ童話によると、冬に備えないキリギリスは凍えて死ぬことになっています。

エントロピー増大の法則に従って進行するゲシュタルト崩壊にどう立ち向かうか?

パラダイムシフト(認識や思想、価値観などが劇的に変化すること)、戦後72年が経過、戦後文化と戦後システム、病院文化と病院システムの制度疲労が限界に達して崩壊を始めています。

社会構造の変化

ゲマインシャフト(地縁血縁で結びついた社会構造)からゲゼルシャフト(契約社会)へ

法人ルールの遵守

ローカルルールを廃して、法人のルールに従う。そして、結果責任はすべて法人が取る。法人と職員との関係性は雇用契約で成立、給与は法人から支給されています。法人の職員である以上、法人の「業務命令」に従う責務があります。

「選ばれる」が成功の鍵

「To be selected(選ばれる)」「Selected hospital( 選ばれる病院)」

「Patient first principle」

(患者便益のことであって、診療内容のことではありません。診療内容は制限診療です)

「主役」の交代、病院の「主役」が医師から患者へ

供給が需要を生む時代から、需要が供給を創る時代へ

「シーリングが見えた今、全体最適こそ部分最適です」

「医療資源の効率的活用」「社会コストの低減」、現代を生きる我々にとって、これが社会正義です。医療人にとっての大前提でもあります。病院は医師がいなければ何も始まりません。しかし、医師一人では何もできません。
「分業」と「協業」、「役割分担」と「業務統合」、「効率的医療」「低コスト医療」が叫ばれる今、医療人全体、特に医師の「意識改革」が喫緊の課題です。医師は医療専門技術者です。専門化・細分化・高度化・複雑化した医療環境下、医師に医療経営学を学ぶ機会はありません。経営は環境適応業であり、変数の多い関数方程式を解かねばなりません。変数の少ない、自己相対化の不得手な医師にとって、運営とか経営は論外です。経営とは感情を排した合理性の追求にあります。

「給付と負担、保険診療は制限診療です」

厚労省による「給付制限」が始まっています。今や、診療内容云々の議論より、「費用を誰が負担するのか?」という問題の方が重くなってきました。議論は不毛・不要です。「やる」か「やらない」か、「オン」か「オフ」か、二択です。「官製パッケージ」の中で答えを見出すしかありません。もはや、自己流・我流は許されません。
「生存種」か「絶滅種」か、「勝ち組」か「負け組」か、時代が篩にかけています。私は「負け組」に分類されたくはありません。

「筋肉を鍛えるように脳を鍛えることはできるのか?」…「YES」

病院が病んでいます。病院は「機能不全」、職員は「適応不全」に陥っています。なぜ「お山の大将」「裸の王様」と言われるのか?それは環境に対する甘えと怠惰と高慢(虚栄)と傲慢の為せる業です。すべての不幸は傲慢という列車に乗ってやってきます。謙虚でなければ人は変われません。極めて狭い世界で暮らす医療人にとって、今最も大切なことは「自己客観視」に他なりません。「自己相対化」が答えです。心理学では「メタ認知」、能の世界では「離見の見」と言います。医療の世界でも「第三者評価」は避けられません。自分を見つめる冷徹な目、自分を見つめるもう一人の自分、脳の合理化が課題です。

「脳の使用説明書を熟読しましたか?」

知的野獣であるこの生存機械を操作するに当たり、「使用説明書」を熟読した上で、作動スイッチを入れ機械を始動させて下さい。「使用説明書」を熟読せずに始動させるととんでもないことになります。脳の「使用説明書」「取扱説明書」は書店で販売していますが、本物と偽物を選別することは至難の業です。
人はDNA機械として組み立てられ、ME機械として教化されます。脳の使い方一つで幸せにもなり、不幸にもなります。「楽は苦の種、苦は楽の種」「努力は味方、怠惰は敵」、楽して何かを得ようとしてはいけません。楽して得られるものなど何もありません。しんどいこと、面倒くさいこと、人の嫌がることに率先して取り組み、社会からの信頼と評価を得る。それが私たちの喜びであり、そこに、社会的動物として生を得た真意があります。

* 行動特性 Competency

学歴や知能レベルが同程度の人間に業績の差が出るのは何故なのか? 仕事の出来る人とできない人の違いはどこにあるのか?

  • ① 仕事のできない人の脳の使い方(Negative thinking …消極的・停滞的・非生産的)
    「あれがない」「これがない」「あれがあったら」「これがあったら」と文句ばかり言う。仕事のできない人に限って、負の結果を他人のせいにして責任回避する。そして、できない言い訳、やらない為の理由探しに終始する。
  • ② 仕事のできる人の脳の使い方 (Positive thinking …建設的・生産的・発展的)
    与えられた条件の中でベストを尽くす。現状の中で、何とか工夫して、出来る所からやろうとする人。第三者評価に身を任せることの出来る人。負の結果に対して、自分の努力が足りなかったか、やり方を間違えていたのか、と考える人は伸びる人。結果を推測してベストプロセスを組み立てることの出来る人。

* 有言実行

自分の言葉を相手の心に届けようとするならば、自らの実践を通して語るしかない。

* 生涯学習の意義

学ぶことの楽しさを覚えた人は人生が豊かになる。知識の量を増やすことがより良く生きることに繋がる。不安からの解放は盲目的に宗教を信じるか、知識の量を増やすしかない。

ホロニクスグループ 代表 谷 幸治